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展覧の概要

十七世紀後半から十八世紀初期、ユーラシア大陸東端の中国と西端のフランスは、それぞれ東西の文化と芸術の発展を牽引する存在でした。そして当時の中国の君主は清聖祖康熙大帝、フランスの君主は太陽王ルイ十四世でした。

二人の生涯は驚くほど似通ったところがあります。どちらも幼くして即位し、一人は祖母、一人は母親の養育と補佐を受け、文武両道であり、民を慈しみ万物を愛し、芸術への高雅な嗜好を持った万能の君主に育てられたのです。また、親政前は二人ともそれぞれ政治を取り仕切る権臣が付き、親政後はどちらも日夜政務を怠らず国政に励み、それぞれ愛新覚羅一族とブルボン王室の王権を固めました。

当時、遠く離れた二人の君主を繋いだのがイエズス会の宣教師であり、彼らが築いた目に見えない架け橋により、二人は間接的に接触することになったのです。ルイ十四世は宣教師を通じて康熙帝への理解をより深め、フランスの官民もまた中国の文化と芸術に好奇心を抱くようになり、その芸術品を模倣する風潮まで興りました。一方、康熙帝も宣教師の講義を通じ、西洋の科学、芸術及び文化を知り、更にこれを押し広めたため、当時は西洋の学問に没頭する臣民が少なくありませんでした。

この度、当博物院は中華民国建国百周年を記念し、本特別展を企画いたしました。八十三点の所蔵文物を精選するほか、北京故宮博物院と上海博物院、及び瀋陽博物院よりそれぞれ二十点、十点、二組の文物が提供され、更に香港の個人コレクターより借用した一点の収蔵品を展示します。両岸三地(台湾、中国、香港)の文物以外にも、遠くフランスの国立図書館と十二の博物館より七十四点(組)の文物を借用展示します。なお、フランス外務省が所蔵するルイ十四世が康熙帝に宛てた書簡については、昨年(2010)既に展示したため、この度は複製品を展示することになっています。

文物に文明を語らせるという原則の下、本展覧は次の四つのコーナーに分けられています。1. 康熙大帝とルイ十四世の個人、家庭及び主な功績など。2. 仏イエズス会宣教師の二人の君主を繋いだ架け橋的な役割。3. 宣教師と旅商人を通じ、中仏両国の文化と芸術に見られた直接的な接触と模倣。4. 双方の交流により、それぞれが独自に生み出した成果。

展覧を通じ、十七~十八世紀における東西両国の君主が仏イエズス会宣教師の往来と紹介を受けたことにより、双方の文化と芸術の交流、及びそれによりもたらされた文化芸術面の成果について理解を深めていただきます。