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明代宣徳帝(1399-1435)、姓は朱、名は瞻基、号は長春真人。明成祖の最年長の孫、明朝第5代皇帝、在位期間は1426年から1435年で年号は宣徳、廟号は宣宗。その10年に及んだ執政期間中、政治では優秀な人材を登用し、歴史上「仁宣の治」と言われる安定した発展期を築き、それまでの繁栄と太平の世を維持しつつ、内政を重視したことで知られています。芸術分野でも歴代皇帝の中で特に輝かしい成果を残しています。

宣徳帝は書法を好み、絵画も得意としていました。書画の創作に熱心に取り組んだだけでなく、山水や人物、走獣、花鳥、草虫など、その作品はいずれの分野でも見事な腕前で、側近くに仕えた臣下にしばしば褒美として自らの書画作品を下賜しました。このほか、宣徳帝は明代における芸術上の風潮を導くとともに、かつて大いに栄えた両宋画院の復活も目標に掲げました。文献資料によれば、宣徳帝は宮中の画師の作品全てに目を通して論評したと言われ、明代宮廷絵画は宣徳帝在位期間中に隆盛を極め、その繁栄ぶりは北宋徽宗帝(1082-1135/在位期間1100-1126)の宣和画院に匹敵するものでした。

宣徳帝の絵画作品は花鳥や動物、墨竹など、象徴的な意味が込められた題材が多く、画風は文人画の影響が色濃く表れており、線と墨韻に重きを置いた表現となっています。また、その書法は瀟洒でありながら力強く、「宣徳帝の書法は沈粲、沈度兄弟の円熟した書風を継承しているが、より雄勁である。」と後代の人に評されました。結字は趙孟頫(1254-1322)に近く、明代初期以来の書風が反映されています。この度の展覧会では、国立故宮博物院が多数所蔵する宣徳帝の肖像画や親筆書画のほか、その画風と深く関わりのある作品や宣徳帝の画風を倣った後世の作品も合わせて展示いたします。