| 総解説
歴史上に於けるアジアは、多くの種族や国家の興亡、或いは分合に終始してきましたが、こうして生まれた光輝く文化は、国境を越え、アジア文化の特色を持つ共同体として広がっていきました。殊に仏教はアジア文化の中で、時空を越えた最大の産物であると言うことができます。
仏教は紀元前五世紀、インドの北部で興りました。紀元前三世紀、アショ-カ王の入信により、インド全土から徐々に国外・・・東はスリランカ・ミャンマ-・カンボジア・タイ・インドネシア、北は中国・日本・韓国へと伝播されて行きました。文化が互いに影響しあう過程に於いて、異なる時期、異なる土地、異なる民俗がそれぞれの容貌と風格を融合創造し、輝ける多元的な仏教芸術を集大成したのです。
金銅仏の彫像は伝播の重要な媒介の一つであり、小さいものでありながら、大きく見える、法相象の威儀を具し、アジア仏教の各地に於ける仏像芸術の深さを充分に表しています。この寄贈展では青銅の工芸品も展示しますが、その技術は仏像製作よりも遥か早期で、金銅仏像の基礎を定めたのです。
彭楷棟氏が寄贈された文物を通して、参観する方々が礼楽文物と仏教製作の大いなる威儀を理解すると同時に、引いては近しいアジア諸国家や民族間の文化の脈動を感じとっていただくことを心から期しております。
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