中国の神仙伝記は多く、漢の劉向(紀元前77-6頃)の『列仙伝』・東晋の葛洪(283-363)の『神仙伝』・南唐の沈汾(十世紀後半)の『続仙伝』などを始めとして、明代の万暦二十八年(1600)徽州玩虎軒出版の『列仙全伝』まで、記された仙人の数が多い外、伝記の版刻本も単純な故事文章本から、挿絵入りの版本に変化し、神仙像も具体的に読者の眼前に呈現されるようになりました。
本書は著名な儒教禮教俗訓書である『菜根譚』の著者明代(1368-1644)の洪応明の作で、計四巻、五十五名の仙人が、太上老君の話から始まり、東漢時代(25-220)の有名な煉丹家魏伯陽の話まで収録され、巻末には長生詮が付けられ、諸仙人の著作と語録を雑録しています。本書は一伝に一図を付け、版画自体はやや不自然に見えますが、古風で飾り気のない趣を感じさせます。