| |
『華厳経』は、全名は『大方広仏華厳経』で、梵語は「Avatamsaka
Sūtra」(Hua-yen Sutra)と称します。大乗仏教の重要な経典の一つで、「華厳宗」が依拠する主要な理論典籍でもあります。この仏経は仏陀が成道後、悟りの内容を表明した最初の経書と言われ、毘盧舎那仏の住む「華厳蔵莊厳世界」である十方無数の諸仏の世界、即ち「十方諸佛」思想を描写したものです。本院所蔵の『華厳経』は実叉難陀(652-710)による訳本で、八十巻から成ることから、『八十華厳』とも称されます。梵語原本は四万五千偈(偈:韻文で書かれた詩句)があり、則天武后(624-705)が使節を于闐国に派遣し求得したもので、證聖元年(695)に洛陽の大遍空寺で漢訳を開始し、聖暦二年(699)に仏授寺で完成したと言われています。
|