國立故宮博物院 大観―宋版図書特展
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展示図書解説

 

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詩礼伝家:士人印本

文筆を基礎とする宋代の知識人は、彼らの先賢の著述だけでなく自分の著述も重視しました。その為、知識人は新興の木版印刷術を利用し、自分の著作が伝世し、名声が残ることを期待しました。文献上には、北宋時代の知識階級が自分の著述や先賢の著作を刊行する現象が記され、家刻本と言われるものでした。南宋時代では、彼らの印刷刊行の活動は普遍的現象となり、自分が或いは子•姪•孫が仕官期間に自費出版し、祖業の繁栄と父業の継承という考えに基づくこともあり、書籍底本に対する選択と校勘の態度は相当に注意深く、刊行品質も十分優れたものでした。展示品の中で、孤本である『宣和奉使高麗図経』は作者の徐兢の姪である徐蕆が在任期間に、叔父の高麗使節出仕記録が埋没され後世に伝わらなくなるのを恐れ、版刻刊行して記念としたものです。又、『儀禮要義』は魏克愚が徽州の知府として出仕した時に出版し、父親である魏了翁の著述を宣揚しようとしたものです。これらの書籍は、表面上は地方の官刻(政府刻版)に似ていますが、しかし、精神上は知識人の詩•礼を以って受け継いだ家刻本の特色があります。

宣和奉使高麗図経
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宣和奉使高麗図経 四十巻三冊
宋 徐兢撰
宋乾道三年(1167)徐蕆江陰澂江郡斎刊本
故善 004059-00406

《宣和奉使高麗図経》本書は、中国以外の土地風俗や民族文化を記録した数少ない宋代刻本である。作者の徐兢が高麗に派遣された二年後に北宋が滅亡、図経の文のみが残り図は失われた。後に甥の徐蕆が刊印した。この印本は本院に所蔵される一部のみである。

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王荊文公詩 存十七巻六冊
宋 王安石撰 宋 李壁注
南宋(1127-1279)刻本
贈善 022416-022421

《王荊文公詩》李壁は王安石詩作の注釈の第一人者である。江西の撫州に左遷され、撫州出身の王安石に一種微妙な敬愛の念を抱いた。本書は門人の李西美により彫版印行された。現存本この一部のみである。

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儀礼要義 五十巻三十六冊
宋 魏了翁撰
宋淳祐十二年(1252)魏克愚徽州刊九経要義本
故善 014098-014133

《儀礼要義》魏了翁が左遷先の靖州(現在の湖南省靖州県)に暮らした頃、鄭・賈注疏の精華を取り入れて編纂した『要義』である。魏了翁は本書の完成を見ずに他界し、息子の魏克愚が知徽州を務めていた頃に郡斎より刊印した。二十数年後、兵火による書版焼失後は、覆刊されていない。この現存本は誠に貴重なものである。