國立故宮博物院 大観―宋版図書特展
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展示図書解説

 

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広結善縁:集貲印経

宋代の儒家知識人は伝統的経典を研究習得する他、精進をして参禅し、仏教学説を研究する者も少なくなく、仏教経典の需要が一時多くなり、遂には仏寺が経費を募って版刻印刷をするまでに成りました。展示品の『菩薩珱珞本願経』は、北宋元豊年間(1078-1085)に版刻された『東禅等覚院本』大蔵経の一つで、その禅院歴任の住持が信者から布施を募りながら、継続して版刻印刷して完成したものです。版刻完成時が徽宗(1100-1125)の誕生日に当たった為、書名を『崇寧万寿大蔵』と名づけ、初めて経摺装丁形式を採用し、以後の仏典装丁形式に影響力を与えました。その他、単行の仏典刊行費用の多くは僧侶や信者からの募金でまかなわれ、その印刷と流布は功徳累積の意があり、その印刷と持誦は信徒の功徳に属する為、版刻字体は往々にして端正で荘厳性があり、素朴雄大で力強く、使用された紙も潔麗強靭なものが選ばれ、他の一般印刷物とは比較できない作品です。又、仏典を書写することも功徳累積方法の一つで、展示品の宋版仏典には、蘇東坡が書写した『妙法蓮華経』の版刻印刷本が含まれ、蘇東坡の筆跡は特に珍しく、印刷本の珍品です。

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大方広仏華厳経 八十巻
唐 実叉難陀新訳
宋淳化年間(990-994)杭州竜興寺刊後代修補本
故仏 000481-000560

《大方広仏華厳経》巻八十釈音の後に経跋語一篇が刻してあり、北宋淳化元年から咸平三年に十一年の年月をかけて完成したことがわかる。文字は重厚で力強さがあり、顔体(顔真卿の書体)の風格が感じられる。

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菩薩珱珞本業経 二巻二冊
姚秦 釈竺物念訳
宋元祐六年(1091)福州東禅寺刊万寿大蔵本
故仏 000437-000438

《菩薩珱珞本業経》本書は南宋の張人傑の布施を出版資金としているが、原版は北宋元祐六年に刻された「崇寧万寿大蔵」であり、民間が上梓した最初の「漢文大蔵経」である。北宋の東禅寺院が資金を集めて刊行、初めて経摺装を採用し、仏典装丁の典範となった。

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妙法蓮華経 七巻七冊
姚秦 鳩摩羅什訳 唐 釈道宣述
宋(960-1279)刊蘇写本
故仏 000166-000172

《妙法蓮華経》本書は蘇東坡の書体を基にしたもので、宋本では珍しい。また、各冊の扉絵を見ると、彫刻の線は質朴であるが、仏陀の相貌は端厳としており、説法の場景を目の当たりにするかのようである。宋代の熟達した絵刻の技法が見取れる。