総解説
古代より、書物は人類が意識を表現したり、知識を広めたり、物を覚える際に頼りになる重要なツールであり、その内容と外見は時代背景や加工方法により変化している。特に西洋技術の到来により、印刷技術も急速に発展した現在、古籍は現代人の目から見ると、「古色蒼然」としているという以外では、親しみにくいものである。本院珍蔵の古籍約20万冊の多くは清朝宮廷から受け継いだものであり、皇室の収蔵品は逸品ぞろいで華麗である。その中でも昭仁殿の「天祿琳琅」(図1)、養心殿の「宛委別蔵」、文淵閣の「四庫全書」、並びに摛藻堂の「四庫全書薈要」が最も高い名声を得ている。実際には、時間、空間がどのように変化しても、書籍の本質と目的は変わることなく、時間、空間をどのようにさかのぼり、現代的な展示方式を用い、古籍の本質と美しさを表現し、参観者の心を和ませ、古籍を鑑賞してもらい、古籍を知ってもらうかが今回の展示の目的である。そのため、展示を二つのテーマに分ける。第一のテーマは、古籍を知る、ということで、本院所蔵品の逸品の中から、実際の作品により、中国書籍の発展、印刷技術の変化を説明し、並びに書籍、古籍の概念や古籍の分類に関する知識について解説することで、参観者を古書の世界に招待する。第二のテーマは、古籍を鑑賞する、ということで、文物鑑賞という視点から、印刷字体の変化、美しい装丁、精緻な挿絵などを、分野ごとに逸品を選び、展示するものである。

