作品解説
商代帝王の馬車
商代(殷代)、馬車は高度な科学技術を用いた製品の一種でした。木材の選出から設計、製造まで、馬車製作に関わる工程と技術は非常に複雑なものでした。新石器時代以来の彫刻を中心とした木製品に関する伝統技術のほか、車輪を作る際に必ず用いた揉木技術もまたそれに含まれます。多くの接合部をしっかりと固定するため、精密な計算にほぞとほぞ穴を接合する技術が組み合わされています。
貴族の生活における重要な物品としては、華麗な装飾を施す必要がありました。車体完成後、車輌に快適なふとん状の敷物を敷き、単調な木製の車体に色鮮やかな漆を塗り、馬車の大きさに合わせて銅製装飾品を製作しました。加えてこれらの装飾品を最も目を引く、それにふさわしい位置に設置したのです。馬車がいかに重視されていたかがよくわかります。


馬車の装飾品
装飾が完成した馬車一台には、青銅製の装飾品が百点以上用いられています。「車器」は主に馬車の各部分の末端やへりなどを飾るのに用いました。馬車の強度を高める機能を持つ車器もあり、単なる装飾品もあります。車器の露出部分は全て華麗な文様で飾られています。


馬具
馬の頭部につける轡(くつわ)は、馬を制御するのに用いる道具で、皮ひもを組み合わせて作りました。馬に銜(はみ)をかませ、銜の両端は馬の口の両脇の轡に繋がっています。商代の人々は革ひもを多くの銅泡や貝で飾るのを好み、時には馬の額も大きく精緻な作りの「当盧(装飾品の一種)」で飾り、馬に華麗な美しさ添えました。
小屯車馬坑内にあった皮製の轡はすでに風化してしまいましたが、残された大量の銅泡や貝から、当時の場景をうかがい知ることができます。



