
篆山隸海─借展秦院長書法 計十三点
秦前院長は日頃から書法や詩文の創作を楽しみ、古人の作品を臨模することから篆、隷、真、草各種の書体を学び、鍛錬の後に自らの風格を生み出した。長年、美術界においては「秦体」と称され尊ばれた。その独特な点を挙げると、篆書の結体が自在に生き生きとし画意を感じさせ、隷書と行書は悠揚とした中に穏やかな美感があふれている。時には篆書に隷書が入り、新意に満ちている。楷書には端整かつ典雅な趣があり、筆の上げ下げ、押さえや止めに一種の規律が生じている。行草書は流れるような変化に富み、虚実相生ずる妙趣が発揮されている。80歳を過ぎても筆を休めることなく、古きを温め新しきを知る─甲骨、吉金、秦篆等を書き、老いて更に学ぶ精神の典範といえよう。


