:::
中国古代容器における芸術の伝統を概略すると、青銅時代は厳粛な動物を主題とした装飾が主流でした。東周、秦、漢代は、草原から安息、薩珊、粟特、大夏など、植物をデザインした異国の紋飾が伝えられ、文化的な熟成と転化を経て宋、元代に至ると、文人趣味を感じさせる植物や果実をデザインした清雅な器が誕生しました。
この「植物や果実のデザイン」という中国の要素は、ムガールの玉職人によってヨーロッパ、インド、中央アジアの芸術要素と融合し、「ムガールスタイル」の玉彫刻となりました。それらが再び東方の中国に伝えられた時、乾隆帝にとっては、中国の玉器に比べようもない「仙工」、「鬼工」(神業)となったのです。
皇帝の激賞が市場の趨勢に影響を与え、中国の玉職人はイスラムスタイルを熱心に学んで自らの作品に取り入れました。中国の職人たちもまたアカンサスの葉や羊頭柄、貝の形の器を作り、花で飾った双柄、花の中心にルビーなどもはめ込みましたが、これらの特徴のほとんどが「中国化」されていました。伝統的な中国の紋飾─如意雲頭、太極、三陽開泰、福寿双全などまでが一つの器物に表されています。
 |
東アジア 清朝 花式双柄水盛
長13.8 幅10.5 底径7.5 高3.8cm
|
 |
東アジア 清朝 花式双柄小蓋罐
最大幅7.8 腹径7.2 底径4.9 高9.1cm
|
|