青空と白雲の舞台

故宮博物院正館二階バルコニーに初のパブリックアート─石彫作品の〈無為/無不為〉が加わりました。二階の「停雲カフェ」から屋外の花壇へ出るとこの作品をご覧になれます。宮殿式建築物の高い壁の下、気品高い黄色の壁と積み重ねられた灰白色の石が組み合わされ、長く平たい岩石と重なる屋根の横のラインが互いに呼応して、石彫全体が何の違和感もなく建築物を含めた周囲の景観に溶け込み、石材の多様な姿を見せてくれます。

こちらのパブリックアートは、日本の著名な彫刻家・和泉正敏氏の作品です。石材の自然な質感を残しつつ巧みに人の手を加え、多面的でさまざまな光沢を放つ石彫は、朝、昼、晩、そして晴れ日、雨の日、曇りの日と気温や光線の絶え間ない変化に随って、作品上に紋様や光と影が生み出され、時間とともに常に異なる表情の変化が見られます。夜間は芝生に置かれた照明器具の光に照らされて石群の影がおぼろに浮かび上がり、石材の自然さと切り割られた断面がより立体的に見えます。

〈無為/無不為〉は、故宮の宮殿式建築群に新鮮な自然の息吹を加え、このエリアを、流れる雲と涼やかな風と真っ青な空と星空の舞台にしたのです。