| 西暦五世紀の時、謝赫は古来の画評の方法をまとめて、「画には六法有り」を提出した。その最後の一法は「伝移模写」(あるいは「伝模移写」とも言える)である。この方法というのは、一般の解釈では、あたかも文章を書く如く、原稿にはどうしても添削を施して、よりよくするように直さねばならず、その原稿が定まって後、清書するのと同じくである。例えば、精密な人物群像画を描く場合、必ず草稿を作り、それをいろいろ直した後、正式の画面に移し取る。画家にとって、これは必要な技である。完成した原稿を古人は「画様」という、あるいは単に「様」ともいう。「画様」が完成した後、次の段階はその「様」をいかに正式の画幅に移すかである。これは「伝移模写」といえる。その方法は一定していないが、最も簡単な方法は「様」を紙か絹と重ねた後、紙か絹の透明性を利用して直接「様」の線に沿って描き出す。また、それを窓の上に掛け、光を利用して写すこともできる。唐の時代(618-906)には既に職業的な「臨夫」が居て、古書画を模写していた。彼らは明かりを透かす専用の机を備えて、画様を複製する。これはかなり便利な方法である。「様」とほぼ同じようなもう一つの名詞は「粉本」である。粉本とは「様」の裏側に色のついた胡粉をつけた後、竹や木などで作ったとがった筆で「様」の線に沿って、それを紙や絹とか壁などに描き移す、あるいは完成した原稿の図の線に針を刺して穴をつくった後、粗い布袋に色のついた胡粉を入れて、その粉袋を針穴にはたくと、胡粉は穴目を通って紙とか絹や壁の上に点点として残る、そしてこの粉で作った点点を連ねて線にすれば、原様を正式の画幅に移し取ることが出来る。保存の便利を計るため、普通では「様」を原作より小さめに作り、これを「小様」という。正式に絵を制作するときにその「様」を格子に分けて、需要に応じて、その格子を正式の画幅に拡大しながら写す。
一般に画家は名家の作品を模倣することによって作画を学ぶ、あるいは一幅の名作を見て、模倣の方法でレプリカを製作する、甚だしくは利益のために「様」に従って他人の作品を模作する。また伝写の過程で学習者の認知によって、忠実に模写するものもあれば、時には自分の考え方を加えて作り出したこともある。このため、似通った作品が次から次へとかなり作られていた。このたびは本博物院所蔵品の中からこのような類型の書画作品を選んで、「伝移模写」の説明及び例証として展示し、皆様のご観賞とご研究に役立てればと願っています。
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