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展示作品概説

嘉義県太保市に設置する国立故宮博物院南院は、アジア芸術と文化を主題にした、私達が身を置くアジアを探索する博物館です。

アラビア半島以東から西太平洋群島以西の「アジア」と称される広大な土地には、いたる所に古来より歴史のある文明が林立し、統一されたアジア、或いは共通の洲としての意識は未だかつてありませんでしたが、古代文明間の交流や相互作用は頻繁に行われ、途絶えることはありませんでした。

その交流は、陸路と海路を通し、旅商人の商業活動、使節の往来、宗教の布教、僧侶の巡礼、軍事的な征服、民族の移動などの手段によって営まれ、異なる地域、異なる効率で拡散する文化の流れです。思想信仰・技術技能、或いは装飾形式であれ、それらは接触・好奇心・模倣・融合という歴史的過程の中で、全面的或いは局部的な学習は途絶えたことは無く、新しい生命力を生み出し、更に成長し、伝播して行きました。もとをたどれば、どの文物も周縁文明の情報を携えています。

従って、何がアジアなのでしょう?それには、ただ隣人が誰なのかを知るだけでなく、互いにどのように接触があったのかを理解し、どの様な伝播・交流・競争・融合の相互作用関係を揺り動かすものは何であったのか問わなくてはいけません。

この度は、本院自身の所蔵品から、「経典」・「仏教」・「織物」・「青花(染付)」・「茶文化」・「西潮(西洋の衝撃)」などアジア文化の中で最も流動性を具えた六つの主題を選び、アジアの芸術と文化の伝播・流通・変遷の様相を探索します。アジアの思想・彫刻・器物や食器・服装・飲食など多元的な文化・芸術、及び西洋新思潮に対する反応表現が、我々自身の文化的特色を更に深く理解させることが出来るでしょう。

       

故宮博物院南院の第一楽章は既に奏でられています。本院と共にアジアを探索して下さい。次の楽章を知らせる角笛はすぐ続けて吹かれます。