洋彩とはどのようなものなのでしょうか?督陶官の唐英は以下のように述べています。「洋彩の器は、本朝が新たに西洋の琺瑯画法に倣ったものである。」、「丸く白い器に五彩で絵を描き、西洋に倣ったもの故に洋彩という。」、更に、「人物、山水、花卉、鳥類などを細やかに描写している。使用した顔料が琺瑯の色と同じである。」とも説明しています。「活計档」(「活計档」と後ろの「陳設档」は両者とも資料ファイルの名前です)を見ると、磁胎洋彩と磁胎画琺瑯が同じく「乾隆宮琺瑯器皿」という項目に入れられ、「陳設档」では両者とも「乾隆款磁胎」に分類されており、両者の深いつながりを示しています。洋彩は陶磁器の分類では琺瑯彩に属し、西洋絵画の技法と装飾法を生かした彩色磁器です。
1.西洋の要素の応用と融合
档案や実物などから、唐英が述べた洋彩の条件として以下の4点が挙げられます。
(1)西洋の陰影法と光点を用いた装飾図案。主に光点によって円形の物体を表現している。
(2)花卉や葉の紋様の大部分が白で枝葉の光と影、明暗を表現している。このような技法は磁胎画琺瑯ではほとんど用いられていない。
(3)人物の紋様を見ると、明暗を表現する西洋の陰影法と透視技法を用いているのが明らかである。
(4)西洋の花卉が描かれている。例えば、洋菊や洋蓮などの西洋の花々である。一部の紋飾は西洋の草花や藤蔓の図案で構成されている。
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磁胎洋彩黄地洋花方瓶 |
磁胎洋彩黄地蕉葉美人花觚 |
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磁胎洋彩瑞芝洋花蝉紋罇 |
磁胎洋彩人物膽瓶 |
2.宮廷絵画と皇帝の詩印
乾隆時代の洋彩器には伝統的な山水や花卉の紋飾などが描かれ、その多くが四季の山水、草花などの植物の写生画です。琺瑯の白に花卉の濃淡が幾重にも重ねて描かれており、鮮やかで華麗な色彩が見られ、その趣は同時代の院画家と似ています。洋彩と画琺瑯に描かれた山水や植物の紋飾はよく似ていますが、両者に施された詩文と印章は全く異なります。画琺瑯は、唐・宋・明代の詩文を主としていますが、洋彩には乾隆帝の御製詩と印が用いられ、皇帝の身分を示す款となっています。例えば、「乾隆辰翰」、「惟精惟一」などです。
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磁胎洋彩詩句菊花玉梅瓶 |
展開図 |
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磁胎洋彩錦上添花山水詩意方瓶 |
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磁胎画琺瑯四季花緑地四寸碟 |
3.錦上添花─華麗な紋飾と技法
いわゆる「錦上添花」とは、びっしりと施された紋飾の隙間に更に紋様を描き加える技法で、乾隆6年(1741)から、画琺瑯と洋彩器に大量に用いられました。錦上添花の紋飾は、剔地錦紋と描画錦紋の2種に分類されます。剔地錦紋はわずかにへこみがあり、描画錦紋はやや突出しています。両者はいずれも非常に細やかで丁寧な筆致で描かれています。鳳尾形巻草紋,卍字錦紋、繡球花紋、六角亀甲紋、方形柿蒂紋、花葉紋、ふちを飾る蓮瓣紋、回紋、雲紋など、極めて精妙に描かれ、錦上添花の工芸美がその頂点にまで高められています
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磁胎洋彩錦上添花有蓋痰盂 |
磁胎洋彩錦上添花喜相逢双環腰円瓶 |
磁胎洋彩翠地錦上添花茶鍾 |
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磁胎画琺瑯錦上添花黄地四寸碟〈表〉 |
磁胎画琺瑯錦上添花黄地四寸碟〈裏〉 |
4.神業ともいえる精巧な回転器
芸術作品の創作に意欲的だった乾隆帝のために、御用窯の監造官であった唐英は、工夫を凝らしてさまざまな新しい様式を生み出し、乾隆帝を喜ばせました。乾隆7年(1742)から、多種多様な紋様や透かし彫り、回転器、器を重ねるなど、磁胎洋彩製品はますます見事なものとなり、製造過程は困難と複雑さを極め、挑戦に満ちていました。この度展示される極めて精巧な回転器の数々は、後の人々に神業と讃えられました。乾隆8年(1743)4月21日、唐英は「恭進発及新擬磁器摺」の中で新たな焼造法9種について触れていますが、それらの新しい様式は、故宮所蔵の作品と一つ一つ照らし合わせることができます。
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| 磁胎洋彩官釉金花葫蘆転旋瓶 |
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