主な図像_水墨漫興─陳淳書画展
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タイトル:展示作品概説

陳淳(1483-1544)は江蘇省長洲の人で、字は道復、または復甫、号は白陽山人です。50歳前後に字でその名を知られました。明代憲宗成化19年(1483)に生まれ、世宗嘉靖23年(1544)に62歳で世を去りました。文人一家に生まれた陳淳は幼い頃から幅広く学問を修め、経学や古詩、書法に造旨が深く、文徴明(1470-1559)に師事して詩文や書法、絵画を学ぶと同時に、沈周(1427-1509)に心酔してその技法を学びました。絵画史では「呉門画派」の一員とされており、呉派では沈周と文徴明に次ぐ地位を占める重要な書画家です。

陳淳の絵画芸術は傑出しており、明代写意花鳥画に新たな境地を切り開きました。沈周と文徴明の水墨写生の基礎を継承しつつ、宋・元代の大師の技法も広く学び、それぞれの技法を取り入れて自らの個性を伸び伸びと表現し、格調高く洗練された写意水墨画を生み出しました。また、徐渭(1521-1593)とともに「青藤、白陽」と並び称され、明代文人画における写意花鳥派を代表する画家として、当時の文人、士大夫から絶賛されました。

陳淳は山水画も得意とし、趣深い作品が残されています。初期に描いた山水画は、師である文徴明と沈周、元四大家の影響が見られ、中年以降は米芾(1051-1108)、高克恭(1254-1322)などの画風も取り入れました。その作品の多くが江南の風景を題材としており、墨が滴るような花卉写意の技法を山水画にも用い、大胆かつ奔放な筆法に文人生活の情緒が満ちています。陳淳は行書と草書に優れた書法家でもあります。祝允明(1460-1527)と同じ呉門書家中の「奇縦」一派の書風に属し、穏やかな文人の風情を主に表現しました。明代晩期のロマンに満ちた書風の先駆者と言えるでしょう。この度の展覧会では故宮博物院所蔵の佳作を厳選して展示いたします。詩・書・画の三芸いずれもすばらしい陳淳の世界とその特色をご堪能ください。