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人と自然の均衡をはかり調和を求めることは、中国美学において一貫して重要な理念でした。これを具体的に玉石工芸の分野で実践したものが、「量材就質」という意匠観です。
「量材就質」とは、簡単に言えば、素材本来の自然な色あいや形状に沿って、作品のテーマや文様を決定することです。これは工匠が与えられた条件の下で、材料の特質への充分な理解を通じてインスピレーションを得、天然と人為とを調和させた創作方法であり、しばしば人の意表を突き、しかもそれが当然であるかのような適切で見事な作品を生み出しました。故に「巧み」と評され、これがいわゆる「巧彫」(巧みな彫刻)なのです。
現在、巧みな彫刻が施された最古の玉石作品は、中国河南省安陽市の殷墟から出土した、今から三千年あまり前の殷代晩期の玉亀とされています。その白い体と黒い甲羅は生き生きとしており、一般の古代遺物が与えるような神秘性や疎遠感はありません。このように、「巧み」な意思は時空や距離を超越しうるものなのです。当博物院が収蔵する「巧彫」作品は、十八~十九世紀のものが多く、「真玉」のみならず、瑪瑙や玉髄も「俏色」(玉石本来の色を利用した技巧)と呼ばれる処理方法によって、多様な作品に仕上げられています。例えば、吉祥寿意から人物花鳥、果ては果物・野菜・肉に至るまで、題材はあらゆる事物を網羅しており、興味は尽きません。中でも人々に最も深い印象を与え愛しまれているものと言えば、「清 翠玉白菜」をおいて他にないでしょう。天然の材質、人為による創作、象徴している内容、この三者が見事に組み合わさり、自然と人間の調和の妙を最もよく示す作品です。
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