展示概要
異彩を放つ作品は、それを鑑賞する人の成長過程や生きてきた時代と蓄積された知識により、様々な解釈を産み出す可能性があります。この度の「経典の美—故宮デジタル印象展」では、デジタ技術を活用して、ご参観される皆様をお招きして、共に経典文物が新たに辿る道を探索します。展覧は故宮の収蔵品から精選した作品を中心に、現代人が如何にして、AI人工知能と8K超高解像度の映像等を通して、〈海錯図〉、〈早春図〉、〈谿山行旅図〉及び〈富春山居図〉等を含む経典文物を解き明かすかを討論します。同時に、この中から派生した作品の観賞方法…例えば美的学習の６つの側面（色彩、比例、質感、結構、構造、構成）及び文物観賞・分析の６つの観点（表装、主題、境地、故事、技法、風格）を提案します。没入型シアターとインタラクティブ身体体験を通して創り出される体験は、参観される、皆さまを文物が内包する美及び文化の奥深さを感受出来るよう導きます。デジタルイメージの美観体験を革新的な思考と結合させ、領域を超えてリンクした多様な姿を呈することを期しています。
展覧は選りすぐった故宮収蔵の逸品を、美学鑑賞・分析をマッチさせる方法で展示しています。5つの展覧コーナーが繋がっており、展示場に足を踏み入れると、まず目に映る第一コーナーは、この度の展覧のハイライトである「主題：水中芸想」（主題：アクアティック）です。大きく構えた18mにも及ぶ神秘に満ちた幻想的な水生世界は造り上げました。仮想と現実の統合方式を通して、ご参観の皆様と共に、古代と現代の海洋生物を比較対照しながら、バーチャルリアリティーの世界を探索します。第二コーナーは「構成：山水新境」で、展示文物は〈早春図〉、〈谿山行旅図〉の複製画です。「画中に入る」体感インタラクティブ装置及び示意教具を設け、体感される皆さまの文物構図の配置に対する多感官認知と情意体験を促します。第三コーナーは「風格：富春の印象」で、初公開となる「神遊富春江VR」を展示すると同時に、人工知能技術を以て、セザンヌ、モネ及びゴッホの作品の中から色調と創作の特徴を採り出し、没入型・インタラクティブシアター作りました。ご参観の皆様には黃公望作〈富春山居図〉のマルチレベルの視覚饗宴をゆっくりと散策しながら、中国と西洋の芸術が融合した風格と色彩を細かく理解して頂きます。第四コーナーは「故事：錯視珍奇」で、本院が製作した高解像度画質のフィルムを放映し、皆様と共に古代の青銅器や玉器に凝らされた創意工夫を解読します。第五コーナーは「色彩：遊芸空間」で、「神奇百駿」の大型デジタルインタラクティブ投影の壁及び教育学習コーナーが設けられています。あらゆる年齢の友達と一緒に、自分だけの駿馬を描き、古代の画家と共同制作することが出来ます。第六コーナーは「美学を再考：故宮文創」で、上述の五コーナーに於いて鑑賞・分析した重点を結合し、皆様の創意思考を燃え立たせ、古代文物に隠されている現代のファション美学をじっくり味わって頂きます。
展示場へお招きした皆様には、この叙事空間を「美感探索」の出発点とし、心中にある古典の逸品のイメージを発掘し、ご自分の美感故事を編纂なさってみては如何でしょう。