國立故宮博物院 大観─北宋汝窯特別展
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作品解説

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一、独壇の舞台

宋代は陶磁器が勢いよく発展した時代であり、各窯場は磁器の形、釉色、装飾技法、製作技術でそれぞれの優位性を備えていました。河南省宝豊県清涼寺の窯場で焼成された汝窯は、端正で上品な形と潤いのあるすっきりとした釉色により、数多くの青磁器の中でも群を抜き、宮廷御用達の磁器となりました。

汝窯磁器の釉色は極めて独特であり、緑がかった青色に、控えめに輝く淡いピンク色の光沢を帯びています。宋代の耀州窯や南宋の官窯、龍泉青磁とはまったく異なる風格を備えており、明清時代より観賞家の注目を集めていました。「天青色」も「雨上がりの空の青さ」、或いは「淡い青色」も、汝窯の凡俗を超越した色合いを形容するには物足りないほどです。同じように、汝窯の等級は表面に貫入が入ったものであっても、皺文様がまったく入っていない完璧なものであっても、観賞家にとってはすべての青磁を超える最高の磁器でした。

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北宋汝窯青瓷盤
高さ4.4cm 深さ2.8cm 口径21.4cm 足径15.5-15.7cm
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北宋汝窯青磁無文水仙盆
高さ6.7cm 深さ3.5cm 口縦幅16.4cm
口横幅23cm 底縦幅12.9cm 底横幅19.3cm
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北宋汝窯天青奩式炉
高さ15.3cm 口径23.8cm
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二、精緻な気風

汝窯磁器が使用されたのは、北宋哲宗から徽宗(1086-1106)の20年間でした。期間は短かったものの、作品からは国境を越えた交流の証が見て取れます。

イラン、エジプト及びガラス工芸が創意の源となった紙槌瓶は、11世紀初期ごろに中国に伝わりました。9世紀から10世紀にかけて流行した中東地域の紙槌瓶は、酒、油、薔薇水の入れ物として使われていましたが、陶磁器職人により模造された汝窯の紙槌瓶は、置物や賞玩物として使用されました。

漆器、金属器およびその他磁窯に同時に出現した蓮花式温碗は、特定期間内に流行した造形です。それは韓国の高麗青磁そのものであり、12世紀の北宋と高麗との間に陶磁器貿易が行われていたことを反映すると共に、「宣和奉使高麗図経」の記載の具現でもあります。同書には北宋時代に徐兢が韓国を訪れたことが記載されており、彼が高麗宮殿で目にした「越州古秘色」、「汝州新窯器」は、正に「汝窯」に存在していた磁器でした。

展件 高麗青磁彫刻鴛鴦蓋香炉 イメージを拡大
高麗青磁 彫刻鴛鴦蓋香炉
高さ18.8cm 幅16cm
展件 清涼寺窯北宋汝窯香炉 イメージを拡大
清涼寺窯 北宋 汝窯香炉
高さ13.6cm 口径15cm 底径16cm
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北宋汝窯青磁蓮花式碗
高さ10.1-10.5cm 深さ7.6cm 口径15.9-16.2cm
足径8.1cm
展件 高麗青磁花口碗イメージを拡大
高麗青磁 花口碗
高さ9.5cm 腹径14.2cm
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三、皇家のマーク

故宮博物院に収蔵されている汝窯の磁器には、感動の物語が隠されています。時間は流れ、歴史は再現しませんが、汝窯の底部に刻まれた銘文は時空を超え、古いブランドの如く、私たちが記憶すべき流伝の経過をはっきりと刻み込んでいます。

青瓷碟は「奉華」の二文字が刻まれたことで、その名が知られています。南宋高宗の愛妃-劉貴妃の別名である奉華であったことや、かつて大小二つの方形奉華印を有していたことから、この作品が劉貴妃との関係を間接的に物語り、かつて南宋の皇室に収蔵されていたことを示しています。

底部に清高宗御製詩が刻まれた青瓷圓洗は、「趙宋は青瓷の窯場を汝州に設け、瑪瑙末を釉としたと伝えられる」の叙述から、この作品は乾隆帝が識別できた少数の汝窯の一つであり、18世紀の清代宮廷に収蔵されていたことを示しています。

展件 北宋汝窯青磁奉華碟 イメージを拡大
北宋汝窯青磁奉華碟
高さ1.9-2.1cm 深さ1.6cm 口径12.8cm 足径10.1cm
展件 北宋汝窯青磁圓洗 イメージを拡大
北宋汝窯青磁圓洗
高さ3.5cm 深さ2.5cm 口径12.9cm 足径9cm
展件 北宋汝窯青磁橢圓洗 イメージを拡大
北宋汝窯青磁橢圓洗
高さ2.7cm 深さ2.1cm 口縦幅9.8cm 口横幅14.2cm
底径4.2cm
展件 清《埏埴流光》冊(宋汝窯舟形筆洗) イメージを拡大
清《埏埴流光》冊 (宋汝窯舟形筆洗)
55.5x41.2cm
展件 清《埏埴流光》冊(宋汝窯磬口洗) イメージを拡大
清《埏埴流光》冊 (宋汝窯磬口洗)
55.5x41.2cm
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四、卓越した技術

汝窯の神秘でユニークな澄み渡る青空のような釉色については、宋代の文献に、汝窯には豊富な瑪瑙末が含まれていると記載されています。瑪瑙は石英の一種であり、二酸化ケイ素が沈殿したものです。釉薬の中に瑪瑙末を加えても、磁器の釉色、質感、貫入には影響しません。しかし、汝窯の生産地は瑪瑙が豊富であり、北宋時代にも採掘が行われた上、汝窯の表面に見られるきらきらと輝く淡いピンクの光沢から、誰もが瑪瑙が釉に加えられた結果であると思うでしょう。

磁器の完璧な質感を追求するため、数多くの汝窯は支焼満釉により焼成されています。これは制作時に底部の釘で本体と匣鉢を隔てるだけの焼成法で、磁器の変形を防ぐと同時に、釉薬を器全体にまんべんに行き渡らせることができます。完成した汝窯の底部には釘の痕がゴマ粒のように付いています。現存する汝窯の盤、瓶、碗、大きめの洗などの底部には五つの釘跡が付いており、小さめの洗と碟には三本の釘、水仙盆は五本、または六本の釘が使われていました。

展件 北宋汝窯青瓷水仙盆看大圖
北宋汝窯青磁水仙盆
高さ6.1cm 深さ3.8cm 口縦幅15.8cm 口横幅23.1cm
底縦幅13cm 底横幅19.5cm
展件 清涼寺窯北宋火照挿餅 イメージを拡大
清涼寺窯 北宋 火照挿餅
高さ3.3cm 長14cm 幅11.2cm
展件 清涼寺窯北宋匣鉢 イメージを拡大
清涼寺窯 北宋 匣鉢
展件 清涼寺窯北宋窯具 イメージを拡大
清涼寺窯 北宋 窯具