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展示作品概説

「浙派」とは、明代、浙江地域を拠点とした職業画家による画派を指し、17世紀以降、この名称が用いられるようになりました。戴進、呉偉を始めとする浙派の画家たちは、北宋の李郭画派や南宋画院の馬遠、夏珪らの画風に多くを学びました。その山水画は力強く躍動感に満ち、人物と花鳥画は通俗的なものや吉祥を主題とした作品を主とし、いずれも活気溢れる庶民的な味わいに満ちています。後期になると、ますます自由奔放な筆墨へと発展し、開放的でドラマティックな視覚効果を追求しました。浙派には、明代初期に大いに活躍した宮廷と地方の画家が含まれ、その画風は日本の室町時代の画家や朝鮮時代の韓国の画家にも影響を与えました。中国絵画史上、極めて影響力が大きく、国際的にも評価された画派だといえるでしょう。

浙派には浙江省出身者だけでなく、福建省や広東省、その他地域出身の画家もいました。明代に至ると、宮殿や廟宇の装飾画が大量に必要とされ、画家たちは地方と中央との間を頻繁に行き来しました。浙派の作品に見られる通俗的な題材やドラマティックな視覚表現の強調などは、文人が好んだ趣深い筆遣いとは大きな違いがあります。これら共通する画風を持った職業画家は、16世紀末以降の文人評論家に「狂態邪学」とさげずまれました。

絵画収蔵史上においては、多くの浙派の作品が、市場でより高い評価を得るために、商人や収蔵家によって落款印や画家名を古代の大家に書き換えるなどの偽造が行われ、浙派の画家名は歴史の中に埋もれていきました。この度の展覧会では、故宮所蔵の浙派関連の作品、及び宋・元代の作とされる作品を改めて検証して失われた画家名を取り戻し、中国絵画史上、大きな影響力を有した画派とその発展の歴史を再現しました。

故宮では浙派関連作品を大量に所蔵しているため、この度の展覧会では秋と冬の二季に分け、「浙派の伝統」、「浙派と宮廷の交わり」、「北京と南京」、「狂態邪学」という四つのコーナーを設けて展示いたします。その中で、浙派の起源、浙派が地方から中央へと進出する過程、浙派第二代の発展、浙派がいかにして歴史の偏見の中に消えていったのかなど、浙派の誕生から終焉までをご覧いただけます。