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国立故宮博物院

天香茄楠─香玩文化 特別展

  • 展覧期間:2018-05-25~2019-10-20
  • 会場:北部院区 第一展覧エリア 304

「天香」の2文字は、北宋時代の文人丁謂の著作『天香伝』から取られています。この書物は中国で最も早い時代に書かれた、沈香についての専門書です。「茄楠」とは、明代から最高級品とみなされるようになった沈香のことです。沈香は次のような状況で半ば自然に作られます。ジンチョウゲ科の樹木の幹に刃物で傷をつけたり、昆虫や細菌の繁殖によって樹皮に傷がつくと樹液が分泌されます。その樹脂が長い時間をかけて固まったものが沈香です。主な産地は両広(広東と広西)や海南、ベトナム、東南アジアなどです。また、特殊な方法で樹脂を固めると、馥郁とした幽遠な芳香を放つ蜜香や乳香となります。沈香は古くから珍重され、日々の暮らしや宗教活動、医学などの分野で活用されてきました。そこから独特の鑑賞様式が生まれ、携帯用の香、焚香用の道具なども作られるようになり、華やかな気品に満ちた、士人の風雅な趣漂う香玩文化が形成されました。「天香茄楠」と題したこの特別展が、工芸作品の美をご覧になりながら、天香の如く忘れがたい香りを見い出す機会になればと願っております。

この特別展は2章で構成されています。第1章の「香の道」では、国立故宮博物院が所蔵する宮廷の茄楠沈香から、稀少な沈香の収蔵法をはじめとして、宮中の人々がどのように香を身に付け、香を焚いて楽しんだのかを、「収蔵と陳列」、「携帯用の香」、「香道具」─三つのコーナーに分けてご覧いただきます。古代の人々が、金よりも高価な香の中のダイヤモンドをどのように用いて、暮らしに味わいを添えたのかがおわかりになるでしょう。第2章の「香の趣」では、現代における香の収蔵や携帯に加えて、台湾で過去数十年の間に復活を遂げた、香りを楽しむ文化についてご覧ください。「品香」(香りを味わい楽しむ)を中心に、香席用の香具一式を陳列します。こちらの二つのコーナー「香道具の美」と「香りの空間」では、優れた創作を元に現代人の楽しみ方をご紹介するととともに、現代的な暮らしに息づく美も合わせてお伝えします。

沈香の希少価値が高まっている今日、この特別展をご覧いただけば、最上級の沈香が当時の宮廷でどのように用いられ、贅を極めた美しい香玩器が作られたのかが、おわかりいただけるでしょう。台湾製の香道具にも暮らしの美のエッセンスが生かされています。

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