故宮の組織体制と業務内容
「国立故宮博物院組織条例」は民国75年(1986)12月31日に公布され、民国76年(1987)1月16日に施行されました。民国96年(2007)、政府による行政機構簡素化の原則及び業務上の必要性を鑑み、本院組織条例は「故宮博物院組織法」に改められ、民国91年(2008)1月16日、総統による華総一義字第09700003961号令を受けて公布されました。
1.故宮の組織
本院組織法及び処務規則の規定に基づき、本院では院長1名、副院長2名、主任秘書1名が置かれ、その下に総合企画処、器物処、書画文献処、登録保存処、販売業務処、展示サービス処、南院処、デジタル情報室、秘書室、人事室、主計室、政風室の計7処5室が設置されており、これら12部門により故宮博物院の各種業務が行われています。
2.業務内容
本院の処務規則は行政院の承認を得て民国97年(2008)3月13日より施行されました。その後、処務規則の改正が行われ、民国112年(2023)8月14日に新しい規則が発布されました。各部門の業務内容は以下の通りです。
(1)総合企画処
1.運営方針、中期及び年度計画、重要な措置及び施策の実施、組織体制の見直し及び刷新、改革に関する検討、部門間の連携及び企画の立案。
2.各博物館との協力及び交流、資源の共有及び整合性を考慮した収集、評価と分析及び協議。
3.研究調査、法令制度及び広報関連業務。
4.書籍の管理及び閲覧サービス。
5.その他、総合企画に関する事項。
(2)器物処
1.所蔵器物の保存、管理、研究及び目録の作成。
2.所蔵器物を活用した展覧会の企画立案、展示及び図録の作成、出版物の執筆及び編纂。
3.所蔵器物に関連する学術交流。
4.器物の収集計画の立案及び実行。
5.その他、所蔵器物に関する事項。
(3)書画文献処
1.所蔵書画及び古籍文献の保存、管理、研究及び目録の作成。
2.所蔵書画及び古籍文献を活用した展覧会の企画立案、展示及び図録の作成、出版物の執筆及び編纂。
3.所蔵書画及び古籍文献に関連する学術交流。
4.書画及び古籍文献の収集計画の立案及び実行。
5.その他、所蔵書画及び古籍文献に関する事項。
(4)登録保存処
1.収蔵品の登録及び収集に関する業務。
2.収蔵品の予防保全、修復及び科学的研究。
3.北部院区の安全管理、防災対策及び救護活動、施設内の安全管理業務計画の立案、実施及び管理。
4.安全な就労に関する訓練及び管理、指導、審査、所轄の憲兵隊及び警察署との連携。
5.その他、登録保存及び安全管理に関する事項。
(5)販売業務処
1.出版物の企画立案、編纂及び発行。
2.収蔵品の二次利用、付加価値の創出、製品の研究開発、知的財産権の管理、授権及び権利侵害に対する措置の実行。
3.製品の販売管理、故宮文物芸術発展基金販売業務の実行及び管理。
4.その他、販売業務に関する事項。
(6)展示サービス処
1.北部院区観覧者へのサービス、教育普及活動の企画立案及び実施、ボランティアの訓練及び管理。
2.北部院区及び展示エリアの設計、関連施設の維持管理。
3.北部院区展示エリアの安全管理、維持管理及び訓練の実施。
4.その他、展示サービスに関する事項。
(7)南院処
1.南部院区収蔵品の保存、管理、研究、出版及び展示。
2.南部院区収蔵品の保存、維持及び収集。
3.南部院区の教育普及活動、観覧者へのサービスに関する企画立案及び実施、ボランティアの訓練及び管理。
4.南部院区の安全管理、防災対策及び救護活動、安全管理業務計画の立案、実施及び管理
5.南部院区全体の経営、運営管理と修繕工事計画立案及び実施。
6.その他、南部院区に関する事項。
(8)デジタル情報室
1.情報業務の基礎的設備に関連する計画の立案、設置及び維持管理。
2.情報応用システムに関する計画の立案、設置及び維持管理。
3.最新の情報科学技術を活用したイベント開催や展示内容の研究開発及び推進。
4.情報セキュリティに関する計画の立案及び推進。
5.その他、デジタル情報に関する事項。
(9)秘書室
1.文書、ファイル、印章、出納、営繕、購入、庶務及び財産管理業務。
2.各処及び室の業務外の各種事項。
(10)人事室は本院の人事に関する業務を行っています。
(11)主計室は本院の歳計、会計及び統計に関する業務を行っています。
(12)政風室は汚職及び不正行為の防止、職場の風紀秩序の維持などのほか、各案件を進めるにあたり、正当な手続きが行われているかを監視しています。