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展示概要

貨郎とは、雑貨を売り歩いた古代の行商人のことです。貨郎は天秤棒か手押し車で荷を運び、村や町を回って品物を売り歩きました。でんでん太鼓を鳴らしつつ、独特の節回しで歌いながら商品の機能や使い方を説明し、品物を売り込みました。その歌声が聞こえてくると、客の女性 や子供たちが集まって来ました。

貨郎が担いでいた天秤棒には、種々雑多な品物が何段も重ねられ、まるで小さなスーパーマーケットのようでした。小間物や玩具、水おしろいや紅などの化粧品、農具のほか、飴玉や野菜などの食べ物まであり、お年よりから子供まで、村人たちの期待を満載してやって来る楽しみだったのです。朗々と響き渡る貨郎の歌声は、小さな町や農村での平凡な暮らしのささやかな歓びでした。

特別展「画琳瑯-貨郎図」では、古代の多種多様な貨郎図を展示します。 昔は台湾にも「話玲瓏売雑細」という売り声で各地を回った行商人がいましたが、貨郎が天秤棒で売り歩いたいろいろな品物は、その頃の台湾の農村文化と異曲同工の妙があります。この度の特別展は、「画琳瑯-貨郎図」と「国宝─李嵩 市担嬰戯 」─二つのコーナーに分けて展示を行います。前者では、宋元明清代の様々な貨郎図をご紹介します。後者では、南宋時代の高名な画家李嵩(1170-1255)の「市担嬰戯」に焦点を当て、貨郎を描いた作品の多元性を具体的にご覧いただきます。古代の多彩な絵画や文化的な視点から、芸術と暮らしの対話を改めて見つめ直すことにより、博物館が現代人の日常生活を満たす養分となれるよう願っています。

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